素敵な上司とキュートな部下

その後夕飯代わりに屋台で焼きそばと缶ビールを買い、場所取りを行う事になった。日が沈みかけ、辺りはだいぶ暗くなって来ていた。


「部長、場所取りと言っても、俺達は何も……」


と大輔が疑問を投げると、香川は手提げ鞄のファスナーを開け、中に手を差し込んだ。


「これかな?」


そう言いながら香川が鞄から取り出したのは、青っぽい模様がプリントされたビニールのレジャーシートだった。


「わお。用意がいいんですね?」

「花火にこいつは必須だからな。小さいが2枚あるから。虫除けスプレーもあるから、みんなで使おう」

「すげえ。部長、もしかして常連さんですか?」

「バカ言え。前に付き合いで何度か来ただけだ。あ、付き合いと言っても女性とではないぞ?」


なぜか最後の部分は加奈子を向いて言う香川だった。


「そんなの分かってますって……」

「そうか。あはは……」


いつになく陽気な香川なのだった。


香川は適当な場所を選んでそこにレジャーシートを敷くと、その隣にくっ付けるように大輔もシートを敷いた。ところが、「少し離しましょうよ」と言って美由紀はシートを引っ張り、香川のそれから2メートル程離してしまった。


「おい、そんなに離す事ないだろ? ね、部長?」


と大輔は文句を言ったが、


「それでいいだろう。広いんだし」


と香川に言われてしまった。大輔は不服そうだが、部長に言われてはそれ以上文句は言えず、それは加奈子も同じ思いなのだった。