素敵な上司とキュートな部下

剛史が下りて来るまでは主に母親が大輔と喋り、剛史が下りてからは剛史が……という事で、加奈子は殆ど会話を傍で聞いてるだけで、自分はこの場にいなくてもいいんじゃないか、と加奈子は思った。

ただ、会話の内容に関係なく、大輔は時折チラッと加奈子に目をやる事があり、それが加奈子は嬉しかった。しかし……


「大輔、俺に話があるんだって?」

「あ、はい」

「言ってみろよ」

「えっと、それは……」


と言って大輔は加奈子に目をやったが、それは今までチラチラ見るのとは明らかに意味合いが違った。つまり、加奈子や、おそらくは母親も含め、第三者がいる所では話せない、という意味の目配せに違いなかった。


剛史もそれを察し、


「俺の部屋で話すか?」

「はい、お願いします」


という事になり、二人はさっさと二階へ上がって行ってしまった。

男同士の話だろうとは思うが、仲間外れにされたみたいで、寂しさを感じてしまう加奈子であった。