素敵な上司とキュートな部下

加奈子は玄関でサンダルを突っ掛けて表へ出た。そして、ちょうど停止した大輔の車の運転席側に近付いて行った。


「こんにちは。車はここで大丈夫ですか?」


パワーウィンドウを下げながら、少しはにかんだような顔で自分を見上げる大輔に、早くも加奈子は胸の高鳴りを覚えた。


「うん、大丈夫。父は出掛けてるから」


大輔が車を止めた場所は、普段は父親の車の駐車スペースなのだが、父親は早朝から車でゴルフに出掛けていて、帰りは夕方になるだろう。


「いらっしゃい」


車から出て加奈子の前に立つ大輔を見上げながら、加奈子は上気した顔で言った。


「おじゃまします」


大輔もまた、いつになく熱い視線で自分を見る加奈子にドキッとしながら、頬を赤くして挨拶を返した。


「ど、どうぞ……」

「あ、はい」


(やだ。私ったら嶋田君のこと、すごい意識してる……。落ち着かなくちゃ……)

(なんか今日の主任、すげえ色っぽいなあ。どうしたんだろう……)