素敵な上司とキュートな部下

「岩崎先輩に会いたいんです」

「……ああ、そういう事ね」


加奈子は『なんだ……』と言いそうになり、それは心の中だけに留めた。


(私ったら、何を期待したんだろう。嶋田君が私のために家に来る事?
そんな事ある訳ないのに、バカみたい……)


「出来れば今度の土曜か日曜にどうでしょうか?」

「わかった。剛史に聞いてみるわ」

「よろしくお願いします。先輩に相談したい事があるんです」


そう言って、大輔は加奈子の横顔を探るような目で見たが、加奈子はそれに気付かない。


「そう?」


(どんな相談なんだろう。というか、あんなチャランポランな奴で、役に立つのかしら。ま、どっちみち私には関係ないのだけど……)


実はそうでもないのだが、それを加奈子が知るのは、ずっと先の事だった。