素敵な上司とキュートな部下

「嶋田君」

「はい?」

「この間のドライブの帰り、家まで送ってもらったでしょ?」

「はい、そうですね」

「弟に見られちゃった」

「弟さんに? まずかったですか?」

「ううん、それはいいんだけど、弟は私の2つ下なんだけど、名前は剛史というの」

「あ、そうなんですか」

「その名前に憶えない?」

「え? 剛史さん? 岩崎剛史さんですよね? うーん………あっ」

「思い出した?」

「ひょっとして、バレー部の先輩の岩崎先輩ですか?」

「そうらしいの」

「うわあ、マジですか!? 主任はあの岩崎先輩のお姉さんなんですね? こりゃあ驚いたなあ。そうだったんですか……。僕、岩崎先輩にはとても可愛がってもらったし、ずっと憧れてたんですよ。世間って狭いなあ」

「そうね。私もびっくりしちゃった」

「というか、これは運命じゃないですかね?」

「そうかしら……」

「いやあ、僕はそう思いますね」


ワインと料理が運ばれて来てからも、大輔は盛んに剛史や高校時代の話を続けた。目を輝かせ、興奮気味に喋る大輔だったが、それとは対照的に、加奈子の気持ちはどんどん沈んで行くのだった。