その日の夜、美由紀は加奈子よりも先に帰って行ったが、帰り際に加奈子に向けた目は、『よろしくお願いしますよ?』と言っていると加奈子は思った。
(しょうがない、言ってみようかな。どうせダメだと思うけどね……)
「嶋田君……」
「は、はい」
新刊の配本割当表作りに集中していた大輔だが、加奈子に声を掛けられるとすぐにそっちの手を止め、加奈子に顔を向けた。
「えっと……ちょっと休憩しない?」
間近で大輔に見つめられ、ドキドキしながら加奈子は言った。
「休憩、ですか? どうかしたんですか?」
「うん……ちょっと話があるの」
「え? 僕にですか?」
「うん。大した話じゃないんだけどね……」
「主任って、もう仕事は……」
「今日はもう終わりだけど?」
「そうですか。じゃあ10分だけ待ってください。いや、5分。5分でこれを片付けちゃいますから、一緒に帰りましょう?」
「そ、そんなあ……。本当に大した話じゃないから……」
「いいじゃないですか。ちょっと待ってくださいね?」
そう言って大輔は、早くもパソコンに向き合うと、すごい勢いでキーボードを叩き出すのだった。
(しょうがない、言ってみようかな。どうせダメだと思うけどね……)
「嶋田君……」
「は、はい」
新刊の配本割当表作りに集中していた大輔だが、加奈子に声を掛けられるとすぐにそっちの手を止め、加奈子に顔を向けた。
「えっと……ちょっと休憩しない?」
間近で大輔に見つめられ、ドキドキしながら加奈子は言った。
「休憩、ですか? どうかしたんですか?」
「うん……ちょっと話があるの」
「え? 僕にですか?」
「うん。大した話じゃないんだけどね……」
「主任って、もう仕事は……」
「今日はもう終わりだけど?」
「そうですか。じゃあ10分だけ待ってください。いや、5分。5分でこれを片付けちゃいますから、一緒に帰りましょう?」
「そ、そんなあ……。本当に大した話じゃないから……」
「いいじゃないですか。ちょっと待ってくださいね?」
そう言って大輔は、早くもパソコンに向き合うと、すごい勢いでキーボードを叩き出すのだった。



