極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


急に緊張の糸が切れて、その場にペタンと座り込む。


脱げって、そういう意味だったのね。


もう私ったら、早とちりなんだから……。


自嘲気味に笑いながら、洗面化粧台を掴み立ち上がる。目の前にあった大きな鏡に映る自分の顔は、耳まで真っ赤になっていた。


ホントに、何考えてるんだろう。いくら悪魔な堤所長でも、なんとも思ってない部下に手は出さないか。


でもあの状況で“脱げ”って言われたら、誰だって勘違いするでしょ?


そりゃね、これが堤所長と恋人同士だったら、一緒に入りたいよ。そして一緒にバスタブに浸かって、あんなことやこんなとこして……。


もう菜都たらっ、エッチなんだからぁ~。


───…って、アホらしい。


まぁとにかく、私がどうして堤所長の家に連れてこられたのか、根本的な問題は後回しにして、まずはこの濡れた身体を温めて綺麗にしよう。


そう決め躊躇もなく服を脱ぐと、急いでシャワーを浴びた。