極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


「所内にある自販機でそれの小さいパック買ってるの、度々見てさ。好きだと思って買ってきたけど、正解だったみたいだな」


そう言って笑う顔に、再度目を奪われる。


確かに私は時々、倉庫の外に出た一番奥にある小さな紙パックの自販機で、フルーツ・オレを買っている。でもそこは事務所からは見えない場所にあるし、飲んでいるのも倉庫内のふちっこにあるベンチだ。


誰にも見られてないと思っていたのに……。


堤所長、どこから見てたんだろう。


そしてそのフルーツ・オレを、私のために買ってきてくれた。


それって───


堤所長の目を見つめ続けていると、穏やかだった瞳が妖しく光る。


「瞳ウルウルさせちゃって。やっぱりエロいね~、菜都は」


えぇっ!? 私瞳潤んでるのっ? ヤダッ、恥ずかしい……。
手で顔を隠し俯くと、大声でそれを否定した。


「絶対にエロくありませんからっ!!」

「あっそ。まぁそれはオイオイ確かめるとして。そろそろ帰るぞ」


私の否定を軽くあしらうと、車を走らせてしまった。


そして私は言うと───


頭の中で堤所長が言った『おいおい確かめる』を何度も復唱し、熱くなった顔を上げられずにいた。