極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~

しばらくして堤所長が戻ってくると、私を見て怪訝な顔をした。


「なんて顔してんだよっ」


は? どんな顔してるっていうのっ? もうこの際、どんな顔だっていいじゃないっ!!


放っといてくれと言わんばかりにそっぽを向くと、「ほらっ」と言って何かを私に手渡そうとする。それを何だか確認せずに受け取った。


つ、冷た~いっ!! 何よこれっ、冷たい飲み物っ!? それに、デカッ!!


慌てて振り返り堤所長の顔を見ると、目をぱちくりさせる。


だってそうでしょうっ。普通こういう時って、「身体、冷えてるだろ?」とか言って、温かい飲み物を買ってきてくれるんじゃないのっ!?


雨に濡れて、身体中冷え切ってるのに、何でキンキンに冷えた飲み物買ってくるのっ!!


それも1リットルの紙パックに入った“フルーツ・オレ”って……。


わなわなと震える私には目もくれず、同じフルーツ・オレを美味しそうにゴクゴクと飲む堤所長。


あり得ない。ホント何考えてるのかわからない。


そう思っているのに、呆れてるのに───


その液体が通る時に動く喉仏に思わず男を感じてしまい、胸がキュンッとしてしまった。


堤所長から目が離せない。