極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


自宅から会社まで二駅と言っても、会社から駅までの距離は結構ある。自転車なら慣れているし苦にならない距離だけれど、歩くと思った以上にキツかった。


それでもスニーカーを履いていたし大丈夫かなと駅の方には向かわず、大通りで左に曲がると、そのまま家へと向かって歩いた。


でもその判断がマズかった。半分くらいまで歩いたところで、真っ黒の空からポツポツと雨が降りだした。最初こそ小雨だった雨も、次第にその強さを増していき、今では土砂降り。


一向に止みそうにない雨に雨宿りをするところを探すけれど、近くには見当たらない。


「もう少し先に、本屋があるか」


そう思いながらトボトボ歩く。舗装が綺麗にされてない歩道は、あちらこちらに水たまりだらけ。避けるのも面倒になってきてそのまま歩いていたら、スニーカーまでグショグショ。


こんな頭のてっぺんから爪先までずぶ濡れの女。さすがに本屋も入れてくれないか……。


ホントに今日はツイてない。とことんツイてない自分に、笑いが込み上げてきた。


なにがドラマみたいな恋がしたいだよっ。26にもなって、いい加減現実を見たらどうなの? そんなの、ちゃんちゃらおかしいって言うのよっ!!