極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~



お昼休みをひとりロッカールームで過ごしたけれど、気持ちは沈むばかり。それどころか、頭まで痛くなってきた。


「なにしてるんだろう、私……」


ボソッと呟くとゆっくり立ち上がり、ロッカールームを出る。するとドアの閉まる音で、私のデスクの前に立っている配送主任がこっちを振り向いた。


「あぁ、なっちゃん、そこにいたんだ。何か午前中は大変だったみたいだね。午後の在庫チェック、週末に変更になったから。またその時に頼むね」


ちょっと恰幅のいい優しそうなお父さんタイプの宮村主任はそう言うと、お腹がいっぱいなのか、腹を撫でながら倉庫へと歩いて行ってしまった。


きっと今日は仕事が手につかない。在庫チェックをどうしようかと悩んでいただけに、宮村主任の言葉にほっと肩をなでおろす。


給湯室のある冷蔵庫から冷やしておいたミネラルウォーターを取り出すと、デスクに向かう。


「菜都先輩、大丈夫? 入力作業、少し手伝いましょうかぁ?」


未歩ちゃんが椅子に座ったまま近づくと、私の顔を覗き込んだ。その鼻をキュッと摘む。


「これぐらい、お茶の子さいさい!! 未歩ちゃんは自分の仕事をしな。……でも、ありがとね」


未歩ちゃんは「痛いですぅ~」と言いながら鼻を擦り、笑顔でデスクに戻った。