極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


「松浦所長、菜都さん。俺も会話に交ぜて下さいよ」


そう言って私に身体を寄せる態度はもうかなり飲んでいるからだろうか、昼間の様子と違うことに少し戸惑う。


いつも通り、普通に接していいのかどうか迷っていると、何を勘違いしたのか松浦所長が、私に耳打ちをした。


「急にしおらしくなって、もしかしてなっちゃん、西野のことが好きなのか?」


「はぁっ!?」

トンチンカンな松浦所長の発言にまたしても大声を上げると、その口を押えられてしまった。


「なっちゃん声が大きいよっ、まったく。でもその驚きよう……。俺の言ったことはズバリッ、正解と見たっ!!」


いやいや、ズバリ不正解だしっ。
私の戸惑う態度が、モジモジ照れているように見えたんだろうけど、勘違いにもホドがあるでしょっ!!


でも満足そうに「そうか、そうか」と頷いている松浦所長を見ていたら、何となく父親が喜んでくれてるみたいで、反論出来なくなってしまった。


それに松浦所長は、来週からは本社勤務。もうこうやって飲んだり話したり出来ないんだから、わざわざ言い返してこの場の雰囲気を悪くする必要もないか……。