歩いていける距離にコンビニや喫茶店がないこの営業所は、ほとんどの人がこの仕出し屋の弁当を頼んでいる。


全国的にも有名な弁当屋は揚げ物がメインなのに比べて、ここの弁当は焼き魚や煮つけがメイン。それに季節の野菜を使った煮物やお浸し、サラダなどが所狭しとぎっしり詰まった和風弁当は人気があった。


普段和食を食べることの少ない私にも、ピッタリのメニュー。


それに何と言っても、ボリュームがあるのに一食250円は破格値だっ。


味、安さとも、文句なしにグーググーッ!!


本来なら自分で作るのが一番なんだけど、私の朝にそんなことをする余裕は1分もない。何故なら、


お弁当 < 恋愛ドラマ


という法則が、成り立っているから。


それにしても大きなケースからは、今日も美味しそうな匂いが漂っている。堪らず弁当の蓋を少しだけ開けると、いい感じに焼き色が付いた鯖の塩焼きと絹さやの卵とじが見えた。