「これは罪の償い?」


違うとわかっていて、つまらなことを聞いてしまう。


「違う。愛の証だ」


迷わずそう答えた龍之介は、私の身体をベッドに押し倒す。いつになく真剣な顔をしている龍之介に、少し怖いくらい。


しかしそれは、このあと起こるであろう出来事を想像すれば、すぐに幸せへと変化してしまう。


「菜都、愛してる」


その言葉とともに落とされたキスは、ただ甘いだけじゃない。隙間からスッと入り込んできた龍之介の舌に口内を刺激され躊躇していた舌を絡めとられると、お互いの甘い唾液が混ざり合う。それはアルコール度数の高いお酒を飲んだ時の、あの燃えるような熱さを私の身体にもたらせた。


口から漏れ出る甘い吐息。いつもなら恥ずかしいと思うそれさえ、止めることができない。


私の反応に気を良くしたのか、龍之介は激しさを増していき、キスを深いものへと変えていく。


快感と息苦しさに身を捩ると、何度も啄みながら唇を離した。


「さっきまでこうなることを拒否してたのが、嘘みたいな反応だな」


からかうような言い方に唇を尖らせば、瞬時に耳朶を食まれ文句のひとつも言えなくなってしまう。


私の身体を味わうように動く唇と舌。ゆっくりじっとりと首筋を這わせ、鎖骨に辿り着くといきなり歯を立てた。