極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


龍之介の首に両腕を回し、彼の顔を見つめる。


風呂に入ったことで少し上気した顔は、いつにも増して男の色気が漂っていて。


ヤバイ……。私が欲情してどうするのっ!!


龍之介に気付かれないように小さく呼吸を繰り返し、気持ちを落ち着ける。


すると龍之介の「ふっ」と笑う声が聞こえて、身体にバスタオルが掛けられた。そして身体も拭かないまま部屋へと入ってしまった。


「えっ、ちょっと、龍之介。身体拭かないと」

「いいよ、そんなの。またどうせ濡れるし」


どうせ濡れるし? 何で? 今から夕食食べに行くんじゃないの?


なのに、また濡れる?


言ってる意味が、まるでわからない。龍之介の顔を見上げても、いつもと変わらない顔をしているだけ。


そして私が連れて行かれたのは……。


な、なんで寝室っ!?


龍之介は足で器用に掛け布団を捲り上げると、私をベッドの上に放り投げた。と同時に、私の身体の上に被せてあっただけのバスタオルがはだける。


慌ててバスタオルを取ろうとして、それを龍之介の手に阻まれた。


「いらないだろ?」


そう言う顔は、意地悪に笑っていて。


これってもしかして……。いや、もしかしなくても、そういうことだよね?


さっきは自分も『なにもしないんだ』なんて思っていたくせに、ここに来て怖気づく。