極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


えっ!! 何でっ!?


身体にしっかりと巻きつけていたはずのバスタオルが取れて、一糸纏わぬ姿のわたしがいた。


「さっき俺に抱きついた時にはだけたの、気づかなかったのかよ。まぁ、俺は嬉しかったけどな」

「バカッ!! 教えてくれればよかったじゃない!!」

「なんでそんなもったいないことしなきゃいけないんだよ」


もったいないって……。


慌てて胸を隠しバスタオルを探すけれど、離れたところに沈んでいて手が届かない。しょうがなくそのまま手で隠していると、龍之介の手が私の身体に触れた。


「ちょっと、どこ触ってるの!! 龍之介のエッチ!!」

「エッチって菜都、ちょっと意識し過ぎだって。なにもしないよ、ここでは」


そう言うと、そのまま私の腰を引き寄せた。龍之介の膝の上に座るように横向きに抱かれ、身体とともに顔の距離も近づいた。


社員旅行前は当たり前だった距離感も、なぜだか今は恥ずかしくて……。


それに“ここでは”って、どういうこと?


「菜都、顔が真っ赤。俺に抱かれて照れてんのか?」

「て、照れてないし!! これはお風呂の温度が高いからで……」


慌てて目を逸らせば、それが嘘だとバレてしまい。


盛大に笑われてしまった。


「ホントにお前は可愛いね。じゃあ菜都がのぼせてぶっ倒れたらいけないし、そろそろ出るか。腹も減ったしな」


「よいしょっと」と言って、龍之介は私を抱いたまま立ち上がる。


確かにお腹は減ったけれど。本当になにもしないんだ……。


なんて不埒なことを考えちゃうなんて、私どうかしちゃった?