「へぇ~、先輩も隅に置けないですねぇ~。で、どうでしたか、堤所長のテクニックは?」

「テ、テクニックって……。未歩ちゃんっ、なんてこと聞くのよっ!!」


私が顔を真っ赤にして取り乱している目の前で、未歩ちゃんは優雅にお茶をすすっている。


未歩ちゃんは、そういうことには興味が無いのかと思っていた。


でも今眼の前にいる未歩ちゃんの目は、興味津々、ギラギラとしている。


ちょっと怖いくらいに……。


「でも菜都先輩の話を聞くと、今日の堤所長の態度は許せませんねぇ~。池内さんとの結婚は、解消になったって聞いてたんですけどぉ~」

「えっ? 未歩ちゃん、清香さんのこと知ってるの?」

「いや、本人とは面識ないですぅ。でも本社の総務部と合コンした時に……」

「ちょ、ちょっと待ってっ!! 本社と合コン? 私その話、知らないんだけど」

「はい、25歳以下限定だったんですぅ~」


な、なんてこと……。25歳って、私まだ1歳しか過ぎてないじゃないっ!!


誘ってくれても良かったのに……。


……って、違~うっ!! 今はそんな話をしてる場合じゃないっ。


「で、その時に堤所長と清香さんの話を聞いたんだ?」

「はい。でも理由は知らないんです~」


あのふたり、付き合っていたのは間違いないみたい。


でもさっきのふたりの態度を見てると、何か裏がありそうな予感がするのは私だけ?