「あっ……いや、そんなとこ……んっ……ダメッ……あんっ」




「もう、菜都先輩っ!! 背中揉んでるだけで、そんな声出さないでくださいよぉ~」

「えぇ~。だって未歩ちゃんのマッサージ、すごく気持ちいいんだもん」

「だからってその声はないですよぉ~。先輩って、そんなに感じやすい人でしたっけ?」

「か、感じやすいって……」


そんなこと言われると、昨晩のこと思い出しちゃうじゃない。


龍之介が私の身体を感じやすくしちゃった……のかな。


って、私ったらなんてことを考えてるのよっ!!


「菜都先輩~、顔真っ赤にしちゃって可愛いですねぇ~。もしかして堤所長とエッチ、しちゃったんですかぁ~?」


えぇっ? なんで未歩ちゃんの口から、龍之介の名前が出るわけ?


どこかで見てたとか? なんて、あり得ないか。


「な、何言っちゃってるのかなぁ、未歩ちゃんは」

「えぇ~、だって先輩と所長はお互いに好き好きですよねぇ~」

「そ、それは……」


スゴい……。未歩ちゃんは、人の心を読めるのかっ!?


今どきの若い子と侮っていてけれど、違ったのかもしれない。


「ねぇ未歩ちゃん。私の話、ちょっと聞いてくれる?」


浴衣姿で寝転んでいた身体を起こすと、真剣な眼差しで未歩ちゃんに向き直った。