途中で喉が渇き、毎朝立ち寄るコンビニに入った。
すると、本当なら午前中か夜中にしかいないはずの晴也くんが、レジに立っているのが目に入る。
「あれ? こんな時間に珍しいね」
近寄って声を掛けると、晴也くんが私の顔を覗きこんだ。
「な、なに?」
「菜都さん、なんかいいことありました? 顔がニヤついてますよ」
「えっ?」
ヤバい、ホントに? 龍之介が迎えに来るのが嬉しすぎて、顔に出ちゃってた?
横を向き両頬を軽く叩くと真顔に戻し、もう一度晴也くんに向き直る。
「どう? これでいつもと同じ顔?」
コンビニの店員に、何聞いてんだか……。
自分のしていることに、笑いがこみ上げてくる。止められなくてプッと声を出して笑うと、つられて晴也くんも笑い出した。
「菜都さんをそんな笑顔にできちゃう人って、どんな人か興味あるなぁ」
「何いってんのっ」
可笑しそうにそう言う晴也くんを横目にミネラルウォーターを取りに行くと、会計を済ませコンビニを出た。



