「でも喉は潤っただろ? ならいいじゃん。じゃあ菜都、おやすみ」
相変わらず勝手な言葉を残し目をつぶると、あという間に寝息を立てて寝てしまった。
喉は潤ったけれど、身体が熱くてしょうがない。
頭に来て興奮したから? それとも、あの口移しのキスのせい?
もう一度、龍之介の身体をつついてみるが、やっぱりピクリとも動かない。
「人をこんな気持ちにさせておいて、もしかして寝ぼけてたとか?」
今の一連の流れは、一体何だったんだろう。
昨日に続き夜中の三時に起きてしまい、龍之介のペースに引き込まれちゃう私って……。
龍之介の寝顔を覗き込む。
「寝ててもイケメンだよね」
はぁ~と大きな溜息をつくと龍之介から少し距離を取り、ベッドに寝転んだ。
明日からのことを考えると不安がよぎる。会社でまた、無理難題を突きつけられないだろうか……。龍之介のことだ、絶対に有り得る。
だけど今は何も考えず、もう少し眠ろう。
自分の身体を抱きしめると、そっと目を閉じた。