極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~


「関係ないっちゃ関係ないか。でも泣くっていうことは、俺の言った言葉は、まんざら間違えでもないってことだな」


超ムカツクッ!! 泣いてる私を目の前にしても、勝ち誇ったこの態度。


なんで私、こんな人を好きになっちゃったんだろう……。


悔しくて、でもやっぱり好きで、涙が止まらない。


「堤所長なんて、大っ嫌いっ!!」


26にもなって大人気ない台詞を吐くと、ベッドに飛び乗り掛け布団を頭から被った。


堤所長の呆れたような溜息が聞こえる。一歩ずつこっちに向かって歩いてくる音が近づくと、ベッドがギシッと音を立てた。


その音で涙が止まる。次第に身体が得も知れないものに覆われ、動けなくなってしまった。


堤所長は掛け布団越しに私に跨ると、そっと顔に掛かっている布団を捲った。


「大っ嫌いでもいいけどさ、病人なんだから、ちょっとは大人しくしたらどう?」

「その病人に勝手なことばかり言うのは、堤所長じゃないですか……」


堤所長の言葉つきは今までと変わらないのに、顔からは優しさを感じてしまい、文句をいう言葉も柔らかくなってしまった。


「ねぇ菜都さん。君の身体も心配だし、しばらく一緒に暮らさない?」


えっ? 当然現れた会社モードの堤所長に、言葉も心も奪われてしまった。