極上ラブ ~ドラマみたいな恋したい~

堤所長の姿が見えなくなると、気が緩んだのか頭がズキンと痛む。痛む箇所を押さえつつベッドから降りると、サイドテーブルの横にある椅子が目に入る。


「あっ」


椅子の上には、私の服がキレイに畳んでおいてあった。


シャワーから出てきた時にも思ったけれど、こういう所、堤所長は几帳面そうだ。


少し感心しながら服を着替えると、寝室にあるドレッサーで髪を整えようとして手が止まる。


ところどころに花のモチーフが彫られている、いかにも高級そうなドレッサー。女性ならだれでも憧れそうな代物に、ウットリと溜息をついた。


これも堤所長が使うために、置いてあるものじゃないよね。


と言うことは……。


カーテンといいクッションといい、どれを見ても高級でセンスがいい。


きっと素敵な女性だよね──……


勝手な憶測に、ひとり敗北感に包まれていると、目の前の鏡に堤所長の姿が映る。


ドアにもたれかかり腕を組んでいるその姿は、それだけで絵になっていてカッコいい。