瞼に光を感じ目を覚ます。よく寝た感じはするものの、まだ身体の熱は取れていなくて、ダルさも残っていた。
それでも喉の渇きを感じゆっくりと身体を起こすと、サイドテーブルにミネラルウォーターとコップが置いてあるのに気づいた。
それに手を伸ばすと、その横に小さな紙切れが目に入る。先にそれを手に取ると、綺麗に折りたたんである紙を広げた。
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菜都
今日は会社休みにしておく。
そこで一日寝ておけ。これ命令!
無理して会社に来たリ勝手に帰ったりしたら、
昨晩俺のところに泊まったこと会社の全員にバラすから、
そのつもりで。
家にある食べ物飲み物、何でも食べていいから、
食べれるようだったら食べておけ。
途中で体調が悪化したら、すぐに連絡してこい。
遠慮はするな。
もし後から遠慮したのがわかったときは……
言わなくても、わかってるよな?
じゃ。
堤
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ははは……。なんだこれ?
命令、バラす、ああしろ、こうしろ……。もし遠慮したら?
考えただけで、怖い。
私には、全く反論や拒否する権利はないわけ?
って昨日の堤所長を見れば、そんな権利あるわけないか……。
手紙を綺麗にたたむと、ミネラルウォーターで喉を潤す。それだけのことで、身体が少し楽になった気がする。
それでも堤所長の言いつけ通りベッドに横になると、手紙を胸にもう一度目を閉じた。



