「あ、杏子!!こっちこっち!!」


夏休みが明ける二日前である今日。


昨日の昼間、またもや急に珠樹から連絡をもらったあたしは、あのサッカーの試合の日以来、久しぶりに珠樹と会っている。


「どうしたの、急に。」


「急なのはいつもでしょ。」


「あ、まぁ・・・そっか。」


なぜ自信満々で返されたのかわかんないけど、考えてみればあたしたちが遊ぶのって、だいたい前日に決まることが多い。


急にこれしたいとかあれ食べに行きたいとか思い立って、予定が合えば行く感じ。


あとは、珠樹が急に暇になったときとか、声かけてくれるんだ。


「今日は?どこ行くの?」


「どこ行くっていうか・・・聞いて欲しい話があって。」


珍しく口ごもりながら言う珠樹を不思議に思いながらも肯けば、とりあえず行こうと促された。


今日も待ち合わせは駅前なので、駅と直結のショッピングモールの中へ入っていく。


相変わらず暑い日が続いてるのに、駅前は人で溢れてて、ショッピングモールの中もごった返すように人がいた。


・・・逆に暑くなりそうだな、これ。