「そろそろ出なね」 としえがふいに言った。 「せやな。行こか。」 「うん。」 荷物を車に積む。 「また戻ってきますから。」 としえは家に向き直ると頭を深々と下げて言った。 「じゃあ行ってくるね。いろいろありがとう。」 としえは桐原さんの車で行くからここでお別れ。 「うん。行ってらっしゃい。」 「すぐ会いに行くし。」 「待ってるよ。」 待ってるよ。 いつまで? 待ってるよ。 いつまでも。