ハァ…




やっと学校に着いた…




「今年も絵里と同じクラスだったらいいな。」




そう。




小学校の時から、奇跡的にクラスはずっと同じだった。




「うん…」




そう答えて、玄関の前にある提示板に目をやる。




うわー…




すごい人だかり…




これじゃあ、私たち通れないよ…




「俺、1人で見に行くから絵里はここで待っとれ。」





優ちゃんは私の手を離して提示板の方へ走っていた。




『キャー!!優介様よ!』




『相変わらずかっこいいよね〜』




キャーキャーうるさいんだって!




なんでこっちの学校はブリッコが多いんだろう?




『…お前ら早く道開けろ!!国沢が通るぞ!』




でかい声で叫ぶ3年生の男子。




この学校の男子達は、なぜか知らないけど




優ちゃんのことを恐れている。




優ちゃんはまっすぐ開いた道を歩いて、




クラス分けの張り紙をじっくり見つめる。




周りの人たちは静かに優ちゃんのことを見ている。




数秒後、優ちゃんはこっちに向かって走って来た。




優ちゃんの顔を見ればすぐわかる。




優ちゃんの嬉しそうな顔。




私はこの顔が一番好き。




「絵里、今年も同じクラスだな。」





優ちゃんはそう言って、私に微笑んだ。




まただぁ…




心臓がだんだん早くなって来てる。




さっき走ったからかな…?




一回深呼吸をすると、優ちゃんに向かって




「今年もよろしくね!」




と言った。