「楓!いきなり滅さなくても!」
怒りを含んだように雅人は楓に詰め寄った。
ただ無言のまま、雅人に目を配るだけの楓。
「人間って言ってただろ!その先のこと」
雅人の言葉を遮るように楓の式神が戻ってきた。
式神はある方向を指し示し、楓は校庭の花壇の隣に数本ある木の方を見つめた。
「さすが楓ねぇ~。いやぁ式神に跡を負わせてたなんて、あたし、びっくりしちゃった!やっぱり楓は普通の人間じゃないんだね」
かわいい少女のような声と共に、負の感情、邪にまみれた視線がこちらの方に向けられた。
「私は普通の人間よ」
無感情に一言楓は言い返した。
「だぁってぇ。あんなお化けやっつけちゃうしぃ~。式神で私の後をつけさせたりぃ~。これって普通の人間ができることじゃないよねぇ~?ねぇ。楓」
ゆっくり楓の方に歩みながら、『主と呼ばれる者』は姿を現した。
大きく息を吸い込んで、長く吐いた息の後
「もう、いい加減姿現したら?……真理……」
キッとした視線を送りながら、少し悲しむように言った。
雅人は、驚くように『えっ?』と言わんばかりに楓の方を見つめた。
真理だと確証したのは、先ほどの式神が戻った時だ。佳織の部屋に一体だけ、特別に放った式神が持ってきたのは、真理が再び佳織の部屋で邪気を飛ばそうとしていた映像だった。
ちっ!と舌打ちし、結界が破れないことを呟いている真理の映像だった。
その映像を見終わった瞬間、式神は『ボフッ!』と音をたてて消え去った。
それをすべて確認し、操り針子を後ろで操っていたのは、全て真理だったのだ。
怒りを含んだように雅人は楓に詰め寄った。
ただ無言のまま、雅人に目を配るだけの楓。
「人間って言ってただろ!その先のこと」
雅人の言葉を遮るように楓の式神が戻ってきた。
式神はある方向を指し示し、楓は校庭の花壇の隣に数本ある木の方を見つめた。
「さすが楓ねぇ~。いやぁ式神に跡を負わせてたなんて、あたし、びっくりしちゃった!やっぱり楓は普通の人間じゃないんだね」
かわいい少女のような声と共に、負の感情、邪にまみれた視線がこちらの方に向けられた。
「私は普通の人間よ」
無感情に一言楓は言い返した。
「だぁってぇ。あんなお化けやっつけちゃうしぃ~。式神で私の後をつけさせたりぃ~。これって普通の人間ができることじゃないよねぇ~?ねぇ。楓」
ゆっくり楓の方に歩みながら、『主と呼ばれる者』は姿を現した。
大きく息を吸い込んで、長く吐いた息の後
「もう、いい加減姿現したら?……真理……」
キッとした視線を送りながら、少し悲しむように言った。
雅人は、驚くように『えっ?』と言わんばかりに楓の方を見つめた。
真理だと確証したのは、先ほどの式神が戻った時だ。佳織の部屋に一体だけ、特別に放った式神が持ってきたのは、真理が再び佳織の部屋で邪気を飛ばそうとしていた映像だった。
ちっ!と舌打ちし、結界が破れないことを呟いている真理の映像だった。
その映像を見終わった瞬間、式神は『ボフッ!』と音をたてて消え去った。
それをすべて確認し、操り針子を後ろで操っていたのは、全て真理だったのだ。

