そして夜……。現れたとしても吹っ飛ばされる結界を張った佳織の家へと向かった。
そこにいたのは
――雅人だった。
「なんで雅人がここにいるのよ!」
開口一番、楓の口から出た言葉だ。
「なんでって……。楓のおじいさんに頼まれたのもあるけど、お前まだケガ、十分治ってないだろ」
心配しつつも祖父との約束もあって、来たことを雅人は楓に伝えていたが、楓は
「ここに現れたとしても、吹っ飛ぶわよ。≪操り針子≫はね」
「見りゃわかるよ。お前、金人結界使ったんだろうが」
「雅人にしては良くわかったわね」
ふふーんと得意げに楓は言ったが、ふぅと短く息を吐き雅人は
「あのなぁ!お前、それくらい僕だってわかるってぇの!
――それにな、楓。僕は楓より一つ上なんだぞ? 」
はいはいと、言いながら楓は佳織の部屋の見張り始めた。
「ったく……楓は」
ボソっといい、雅人も街頭の裏に隠れ、佳織の家の周りに注意を払い始めた。
「なぁ、楓」
「ン?なに?」
「あの『主と呼ばれる者』のことなんだけどさ……」
雅人は続けた。音も立てず気配もなく突如として昨日、隣の家の気の上に現れたことを話した。
霊力では楓も雅人も同等であるから、通常、妖や邪を含むものには、すぐに気づくはずなのだ。
だが……。
――今回の≪操り針子≫が昼間の教室内に現れた時も、昨日雅人が、対峙した『主と呼ばれる者』も、気配すら感じなかったのだ。
邪気を消すまで妖力を抑えられるなど、今まで二人が戦った妖の中には一度もいなかった。
そのため、楓は今回のことは自分の失態と考え、雅人は、遅くに着いたため楓にケガを負わせたことを後悔しながらも昨日気づかなかったことに腹を立てていたのだ。
「気配を完全に断ち切ることなんてできるはずないわよ……普通は。だけど、気づかなかった私にも責任がある。
――だからおじいちゃんが言った一週間という猶予の期間内に全て終わらせる!」
どんなに気配をたたれたとしても、意地でも見つけて退治するといつもの負けん気の強さから、楓は豪語しつつも、私たちが気づかないほどのものなんて……と、その裏側ではかなりショックを受けていた。
だけど……。
ここで負けるわけにはいかない!
そこにいたのは
――雅人だった。
「なんで雅人がここにいるのよ!」
開口一番、楓の口から出た言葉だ。
「なんでって……。楓のおじいさんに頼まれたのもあるけど、お前まだケガ、十分治ってないだろ」
心配しつつも祖父との約束もあって、来たことを雅人は楓に伝えていたが、楓は
「ここに現れたとしても、吹っ飛ぶわよ。≪操り針子≫はね」
「見りゃわかるよ。お前、金人結界使ったんだろうが」
「雅人にしては良くわかったわね」
ふふーんと得意げに楓は言ったが、ふぅと短く息を吐き雅人は
「あのなぁ!お前、それくらい僕だってわかるってぇの!
――それにな、楓。僕は楓より一つ上なんだぞ? 」
はいはいと、言いながら楓は佳織の部屋の見張り始めた。
「ったく……楓は」
ボソっといい、雅人も街頭の裏に隠れ、佳織の家の周りに注意を払い始めた。
「なぁ、楓」
「ン?なに?」
「あの『主と呼ばれる者』のことなんだけどさ……」
雅人は続けた。音も立てず気配もなく突如として昨日、隣の家の気の上に現れたことを話した。
霊力では楓も雅人も同等であるから、通常、妖や邪を含むものには、すぐに気づくはずなのだ。
だが……。
――今回の≪操り針子≫が昼間の教室内に現れた時も、昨日雅人が、対峙した『主と呼ばれる者』も、気配すら感じなかったのだ。
邪気を消すまで妖力を抑えられるなど、今まで二人が戦った妖の中には一度もいなかった。
そのため、楓は今回のことは自分の失態と考え、雅人は、遅くに着いたため楓にケガを負わせたことを後悔しながらも昨日気づかなかったことに腹を立てていたのだ。
「気配を完全に断ち切ることなんてできるはずないわよ……普通は。だけど、気づかなかった私にも責任がある。
――だからおじいちゃんが言った一週間という猶予の期間内に全て終わらせる!」
どんなに気配をたたれたとしても、意地でも見つけて退治するといつもの負けん気の強さから、楓は豪語しつつも、私たちが気づかないほどのものなんて……と、その裏側ではかなりショックを受けていた。
だけど……。
ここで負けるわけにはいかない!

