部屋に入るなり、カバンを机に置き、タンスの開いた。
白衣と行燈袴をだし、制服から巫女装束へと着替える。
髪は後ろに一つにまとめ、水色の引糸で縛り直した。
霊符を数枚、懐に入れ、準備完了……。
祖父が今日、この時間にお祓いをするのなんて珍しい。いつもはお祓いをする日は決まっている。6月の夏越しと、大みそかだ。この日を知っている参拝者は数多く、神殿に入りきれないほどの人数が集まる。よほどではない限り、お祓いはしないのが祖父だ。そのうち毎月1度は参拝客の為に、お祓いを行うが……。
ひと月に行えるお祓いの回数限度は決まっている。それ以上の回数を行うことはできないのだ。400年以上前から決まっている決まり事。
なのに、今日、佳織の為だけにお祓いを行う……。回数はまだ限界まで来ていないってことなのだろうが、楓から見れば珍しすぎることだった。
いつもなら、『それは本人の自業自得であり~』と始まって放っておく方が多いのに、ならなぜ、今回に置いては違うのだろうと、頭でつらつらと考えてみるが、答えなんて私が持っているわけではない。祖父が持っていること。
考えても仕方ない。行くか、神殿に。
白衣と行燈袴をだし、制服から巫女装束へと着替える。
髪は後ろに一つにまとめ、水色の引糸で縛り直した。
霊符を数枚、懐に入れ、準備完了……。
祖父が今日、この時間にお祓いをするのなんて珍しい。いつもはお祓いをする日は決まっている。6月の夏越しと、大みそかだ。この日を知っている参拝者は数多く、神殿に入りきれないほどの人数が集まる。よほどではない限り、お祓いはしないのが祖父だ。そのうち毎月1度は参拝客の為に、お祓いを行うが……。
ひと月に行えるお祓いの回数限度は決まっている。それ以上の回数を行うことはできないのだ。400年以上前から決まっている決まり事。
なのに、今日、佳織の為だけにお祓いを行う……。回数はまだ限界まで来ていないってことなのだろうが、楓から見れば珍しすぎることだった。
いつもなら、『それは本人の自業自得であり~』と始まって放っておく方が多いのに、ならなぜ、今回に置いては違うのだろうと、頭でつらつらと考えてみるが、答えなんて私が持っているわけではない。祖父が持っていること。
考えても仕方ない。行くか、神殿に。

