攻撃をよけながらふと気づいたことがあった。
――人数が足りない。
女子生徒は全員で18名のはず。だがこの場にいるのは、私を含め全員で16名。後の二人はどこに……?
悠長に考えている時ではない。調伏してしまうか、先に助け出すか。両方いっぺんにできたら何の苦労もないのだが。
一瞬脳の思考が働いた。
女の言った言葉を思い出していた。
待てよ……。さっきあの女は、操り人形と言っていた。ということは、ピアノ線のようなもので操っているかもしれない。だったら操るための糸か何かあるはず。それさえ見えれば……。と、少し小高くある岩のようなものの方へと走り出した。
「逃げるだけか?もうそれしか手はないのか?人とはたわいのない弱気ものよのぉ」
心の中で「それはどうかしら」とつぶやきながら、岩の上まで駆け上がり、彼女たちも追いかけてくる。
光もない風が少し強いこの異空間の中。操っているものは、女。
操り人形というのだったら……。
彼女たちが女の前から私に近づき仕留めようとするなら、女から距離ができる。その間にあるものに向かって、一枚の符を取出し、
「ツキヨリキタレリチカラ コウゲツハ」
と、唱え符を放った。
符は黄色に輝きだし、円を描きながら回りやがて丸く薄い円盤のようになった。
回転しながら光月羽(コウゲツハ)は、女と彼女たちの間を高速に目がけて行く。
ドン!ギリリリリリリ!
光月羽は地面に突き刺さりなおも回転する。地面を掘り起こすように女の前を2mほど地面に突き刺さりながら回転し続けて横切って空に飛んだ。
「なにぃ!」
女が叫んだ瞬間、光月羽が地面をえぐった後、操られていた数名が動きを止め、倒れこんだ。やはり何か糸か何かがつながれていたということだ。
「この技は有効ってことのようね。」
岩の上、女を見据えて楓は言いながら次の符を取出し、光月羽をさらに放った。
次々と、光月羽が地面に突き刺さると、次々とまた倒れこむ、操られた彼女たち。
彼女たちからの攻撃はもう受けることは、多分ないと思い、楓は下に降り
「随分と、好き放題やってくれるじゃないの。何が目的なのよ!」
と問うと、女は髪を振り始めた。
「おのれ、おのれ、おのれぇぇぇぇぇ!我が主の邪魔をする者は全て殺す!」
両の手に髪を持ち、後ろの髪を勢いよく回し始めた。
『これは、まずい!』
体が自動的に回避するように、後ろに一歩大きく飛び退け切印で五芒星を描き
「陣」と唱えた。
目には見えないが今自分の目の前には、大きな結界の壁を作りだし、女の攻撃を避けたのだ。
振り回した髪からは数多の何かがこちらに向かって飛んでくる。
キィンキィンキィンと、音を立てては地面に落ちて行く。
攻撃が止み、恨めしい重い声で
「おのれ……。お前は何者なのだ!我の邪魔する者は許さぬ!」
楓は女を見据えて何も答えはしない。
「まぁ、よい。それほどの霊力を持つものなら、我が主様もお喜びになろう。そして我の願いも叶えられるのだ」
「主って誰のことよ!あなた妖でしょ。願いってなんなのよ!なぜこの学園に入った!」
「ふん、お前などに教える必要などない!次は主の前にお前を差しだしてやる」
不敵な笑みを浮かべ、白い衣を翻し後ろを向いた瞬間、女は異空間から消えた。
――人数が足りない。
女子生徒は全員で18名のはず。だがこの場にいるのは、私を含め全員で16名。後の二人はどこに……?
悠長に考えている時ではない。調伏してしまうか、先に助け出すか。両方いっぺんにできたら何の苦労もないのだが。
一瞬脳の思考が働いた。
女の言った言葉を思い出していた。
待てよ……。さっきあの女は、操り人形と言っていた。ということは、ピアノ線のようなもので操っているかもしれない。だったら操るための糸か何かあるはず。それさえ見えれば……。と、少し小高くある岩のようなものの方へと走り出した。
「逃げるだけか?もうそれしか手はないのか?人とはたわいのない弱気ものよのぉ」
心の中で「それはどうかしら」とつぶやきながら、岩の上まで駆け上がり、彼女たちも追いかけてくる。
光もない風が少し強いこの異空間の中。操っているものは、女。
操り人形というのだったら……。
彼女たちが女の前から私に近づき仕留めようとするなら、女から距離ができる。その間にあるものに向かって、一枚の符を取出し、
「ツキヨリキタレリチカラ コウゲツハ」
と、唱え符を放った。
符は黄色に輝きだし、円を描きながら回りやがて丸く薄い円盤のようになった。
回転しながら光月羽(コウゲツハ)は、女と彼女たちの間を高速に目がけて行く。
ドン!ギリリリリリリ!
光月羽は地面に突き刺さりなおも回転する。地面を掘り起こすように女の前を2mほど地面に突き刺さりながら回転し続けて横切って空に飛んだ。
「なにぃ!」
女が叫んだ瞬間、光月羽が地面をえぐった後、操られていた数名が動きを止め、倒れこんだ。やはり何か糸か何かがつながれていたということだ。
「この技は有効ってことのようね。」
岩の上、女を見据えて楓は言いながら次の符を取出し、光月羽をさらに放った。
次々と、光月羽が地面に突き刺さると、次々とまた倒れこむ、操られた彼女たち。
彼女たちからの攻撃はもう受けることは、多分ないと思い、楓は下に降り
「随分と、好き放題やってくれるじゃないの。何が目的なのよ!」
と問うと、女は髪を振り始めた。
「おのれ、おのれ、おのれぇぇぇぇぇ!我が主の邪魔をする者は全て殺す!」
両の手に髪を持ち、後ろの髪を勢いよく回し始めた。
『これは、まずい!』
体が自動的に回避するように、後ろに一歩大きく飛び退け切印で五芒星を描き
「陣」と唱えた。
目には見えないが今自分の目の前には、大きな結界の壁を作りだし、女の攻撃を避けたのだ。
振り回した髪からは数多の何かがこちらに向かって飛んでくる。
キィンキィンキィンと、音を立てては地面に落ちて行く。
攻撃が止み、恨めしい重い声で
「おのれ……。お前は何者なのだ!我の邪魔する者は許さぬ!」
楓は女を見据えて何も答えはしない。
「まぁ、よい。それほどの霊力を持つものなら、我が主様もお喜びになろう。そして我の願いも叶えられるのだ」
「主って誰のことよ!あなた妖でしょ。願いってなんなのよ!なぜこの学園に入った!」
「ふん、お前などに教える必要などない!次は主の前にお前を差しだしてやる」
不敵な笑みを浮かべ、白い衣を翻し後ろを向いた瞬間、女は異空間から消えた。

