衣装を着替え、沙羅とともに、校庭に作られた舞台へと上がった。

他6名とともに。

私と沙羅は、なぜか初音ミクのコスプレ、他の5人は、合唱の為、聖歌隊の衣装だ。

これから始まるのは、学園祭最後の出し物。

仮装行列が終わって学園に戻ってくると、各クラスの代表がパフォーマンスを最後に行う。

私たちは、『千本桜』の合唱とともに、沙羅と二人、丈の短い着物を着てダンスを行う。

着物の丈があまりに短いので、下には短パンを履きながら、5人のコーラス合唱に合わせて、扇子を持ちながら踊った。

出し物を決めていた時、『ルカルカナイトフィーバー』の動画を見た後、沙羅から誘われたのだ。

「楓はもともと運動神経もいいし、ねっ!お願い!最後のパフォーマンスパート、一緒に踊ってくれない!?」と……。

その時、動画を一緒に見ていた女子数名が、

「それじゃ、私たちも~」

と、なり合唱で参加するというので、沙羅と5人の女子たちがガッチリとタッグを組み、懇願され、押し切られてしまい、今この最後のパフォーマンス・パートの舞台に私が立っているのだった。

歌詞を聞いてみると、私も好きな言葉がちりばめられていたというのもあったが、最初、ダンスを教えてもらっていた時思ったのは、なんてキツイダンスなんだ。ということだ。

だが、10日程の練習でここまで上達し、今この舞台の上で踊っていると、視界にうつるのは、ノリノリの生徒たちだった。

歌が終わり、最後のターンをし、扇子を持ちながらみんなに一礼をして、舞台から降りた。

「楓、ありがとう~。すっごく楽しかったよー」

と、目をうるうるさせながら、沙羅が駆け寄ってきた。

「はいはい。これで一位になれたら最高だね」

と、笑いながら沙羅に言った。

沙羅に抱きつかれたまま、私たちは教室に戻り、制服に着替え、体育館に向かった。