ものすごく達成感があるような、満足気な笑みだった。




裕太はその笑顔を見て、呟いた。



「さっき見てもらった通り、俺らのバンドにはボーカルがいない。」



真昼が裕太を見た。



恵と隼人の視線も感じる。




「で、梶谷の声があったらいいバンドになると思った。」


──俺らと一緒にやんない?」




裕太の言葉は、まるで「一緒に遊ばない?」とでも訊いているかのようだった。



それでも、真剣さが出ているのは裕太だからだろう。



「バンド、かぁ……」



真昼が小さく呟いた。



少しだけ思考を巡らせるように、3人の顔を順に見ていく。




そして、裕太の目をしっかりと捉えて、口を開いた。




そこにはちゃっかりと、ニヤリと笑ったような笑みが浮かんでいた。







「いいね。その話、乗った。」