裕太は何気ないふうに、トントン、と歩いてくる。
だが真昼のことを意識しているのは十分にわかった。
「ひっでぇなあ……あ、隼人はコンビニ寄るとかで先行ってるって。」
裕太は窓の外を指差した。
窓から見下ろした道路に、隼人の影があった。
よし。
恵は窓から視線を戻し、2人を見た。
「マジだ。俺もちょっと欲しいもんあってさ。追いかけてくるけどいい?」
裕太を見、真昼を見る。
2人して同じ顔しちゃって。
「あぁ、いいよ。」
そう答えたのは真昼だった。
「あ、うん。」
裕太も遅れてうなずく。
恵はニコリと笑って、机から降りた。
「じゃあ、先スタジオ行ってて?」
「あ、うん───」
その少し戸惑ったような返事にクスリと笑い、恵は小走りで教室を出た。

