裕太もぎこちない返事を返すが、真昼を確認してからこぎ始める。
もうすでに慣れた2人乗りである。
恵や隼人が話を振りながら並んで自転車を漕ぐ。
しばらく漕いでいれば、いつもの分かれ道に出た。
「じゃあ、また明日。」
「ゆうちん、ごちそうさまー」
「あ、おー…」
恵と隼人に手を振ってから、ふとした沈黙が訪れる。
「あ、の…さ、」
言わなければ。
渡さなければ。
真昼は道中、そんなことばかりを考えていた。
「ん?」
裕太が振り向く。
「えーっと……」
真昼はリュックの紐を握った。
──が、
「…やっぱいい。家ついたら、ね。」
そう曖昧にごまかして、自転車を漕ぐように促した。

