話をしていたこともあり、あっという間に目的地のホテルに着いてしまった。 タクシーを降りると、奏大が花菜の顔を覗き込んだ。 「花菜?車に酔ったか?」 「ううん…そんなことないよ」 「元気がないようだが…まさか、まだ気にしているのか?」 「だって……」 奏大の言葉に、花菜は泣きそうになっていた。