「ったく…」
「……」
「さて、追い出されたことだし、家に行くか」
「えっ?」
「なんだ、アイツから聞いてないのか?」
「はい…。創くんからは、今日会って欲しい人がいる、その人が私の婚約者になるからって…」
「チッ…」
「すみません…」
「何故お前が謝る?きちんと説明をしていないアイツが悪い。今日からお前は俺の家に住むことになる。籍はお前の誕生日が来たら入れることになるが、パーティーに出席するときには婚約者として一緒に参加してもらいたい」
「はい…」
「何か質問は?」
「いえ、別に…」
「そうか」
それから奏大の家に着くまで、2人に会話という会話はなかった。
これから先、ちゃんとやっていけるのか花菜は不安になっていた。

