「鈴木にくっつきなよ?」

ニヤリと笑う麗華ちゃん。

企んでいるとも知らずに、わたしは「どうしよう」という気持ちでいっぱいだったので

――――――――ギュッ

健斗君に抱きついた。

「「えっ!?」」

麗華ちゃんと山崎君が声を零した。

でも、そんなこと気にして何かいられない。

中学の内容に付いていけてなかった焦りが今くるなんておかしい。

でも、自分が馬鹿すぎて皆が離れていったらどうしようという気持ちであふれる。

「さくら、一緒に勉強しような?」

ずっと健斗君に抱きついていると上から優しい声が聞こえる。

その声は健斗君なのだ。

すごく、安心できる声。