本当に何でもできるね!

いろんな話をしているうちに家に着いた。

あっという間だったなぁ。

「あがってく?っていうか、あがってくれない?言いたいことあるの・・・」

なぜか自然と口に出ていた。

鈴木君だから、言いたい。

言える。

そう思ったから。

「いいよ」

彼は、そうやさしく微笑んだ。

「おじゃましまーす」

「どうぞ」

鈴木君をわたしの部屋に案内する。

それから、わたしはリビングに行って飲み物を取りに行く。

「おまたせ。りんごジュース、だいじょうぶ?」

「うん。ありがと」

りんごジュースは常に冷蔵庫に装備されている。

大好きだから、わたしも、お母さんも―――――

「・・・あのね、わたしの親はね、海外にいるの。
仕事でわたしが小3の時に海外に行っちゃって、忙しくて帰ってこれないの。
わたしは、友達と離れたくなかったからこの地に残るって決めて、親戚の家に預かってもらっていたんだ。
でもね、心にはポッカリ穴があいちゃって…わたしは愛されてないのかなっって・・・不安で不安で…
どうしたらいいか分かんなくて…時々生まれてきた意味が分からなくなるの。
どうしたらいいかなぁ・・・・?」