本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

パイプオルガンの音と共に開かれる扉。そして颯爽と歩く彼。ああ、ダメだ。



今日は泣かないって決めていたのにもう泣きそう。しばらく会わなかったからなんとか保っていたのにもう姿を見ただけで決壊してしまいそう。




「さくら、大丈夫?」



「は、はい・・・かっこいいですね。素敵です」



泣くな、さくら。勘違いしちゃいけない。手離したのは、彼を傷つけたのは私。被害者は私じゃない、彼だ。


こぼれ落ちそうな涙をそっと拭った。




そして、閉じられた扉がもう一度開く。武本さん、とても綺麗。



プリンセスラインのウェディングドレスに身を包み車椅子を押す、お母さんと車椅子に乗ってもう今ではかなり弱々しくなってしまった課長と共にゆっくりとバージンロードを進む。