本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

違和感は拭われないまま、私たちはチャペルへと案内された。



厳かなその場所はやっぱり結婚式が現実だというものを実感させられる。もしかして、違和感も私がそう思いたいだけだったのかな。




「ごめん、遅くなった」




席に促されて賛美歌の歌詞を見ていた私の隣にそう声を掛けて座ったのは広重さん。



少し、気まずい気分になったけれど広重さんはそれを感じさせないように話してくれた。




「あっ、さくらちゃん、髪の毛切ったんだね。可愛い。似合ってるよ」




「ありがとうございます。来週ですよね?」





「そう。一人悲しく行きますよ」




「・・・すいません」