単純かな。でも、あなたが好きだって言ってた長い髪の毛を切るくらいしか、今の私にはできない。


これであなたへの思いも断ち切れたらいいのに。




「さくら、かわいい。似合ってるわよ」




「ほんと、さくちゃんボブ似合うね」




彼の結婚式の一週間前、私は長かった髪の毛をバッサリと切った。まるであの高校時代に戻ったみたい。



そう、私は同じことばかり繰り返している。あの頃から何も変わってない。



翔くんを傷つけて自分が傷ついたように髪を切る。


変わってないよ、私。何も変わってない。ダメな私のままだ。



せめて、結婚式だけは泣かないように笑顔で過ごしたい。