本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

用意していた白い封筒をそっと机の上に置いた。


大きく書かれた『退職願』でも課長はそれを受け取ってくれなかった。




「これは受け取れない。杉原くんに結婚の条件として言われているんだ。『藍原が退職願を出してきても絶対に受け取るな』と」




翔くん・・・。私が退職願を出すってわかっていたんだ。泣いちゃ、泣いちゃダメだ。泣くな、さくら。


左手で目を覆って必死に涙を隠す。




「そしてこれも。杉原くんから言われてる。君に必ず受け取ってほしいと」