本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

「お呼びですか?」



会議室をノックすると中にはあのワンマン課長だけがいた。翔くんはいない。




「入りたまえ。さて、君は社員試験を受けたいらしいな。まあ仕事ぶりはさっき杉原くんから聞いた。私からも推薦してやってもいい。ただし、君にはこれを書いてもらう」




机の上に広げられた一枚の書類。それは、こんな形で見たくなかった記載済みの婚姻届。


新郎の場所はすべて埋まってる。
ただ一つ、証人の欄を除いて。




「君が書くのはここだよ、ここ」