本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

「杉原くん、君と2人で話がしたい。来たまえ。後の者は業務を始めるように」




悔しい。あんな言い方したら誰も逆らえない。翔くんだってついていくしかないじゃない。


ツカツカと革靴の音を鳴らしながら私の前を通り過ぎる課長。




「社員試験を受けたいのなら、おとなしくしておくのが身のためだぞ。みんなも社内恋愛なんてしている者がいればすぐ私に報告するように。それなりの謝礼をしよう。排除しなければならないものを報告してくれた者はな」




脅しだ。悔しい。何でこんな思いをさせられなきゃいけないの。



あの男、絶対に私が翔くんの彼女だって知ってる。だからわざとこの朝礼中に牽制してきたんだ。