『裏切られた』って。
何度も連絡をくれていたかもしれないのに電源を切って話し合いをする時間も設けず、ただ裏切られたとしか思わなかった。
「狩野さんのことは最初から疑ってなかった。でも、亜樹は藍原に何かあったら困るから自分が近くに行きたいって。確かに亜樹と俺を疑っていれば亜樹の行動は身勝手に見えたと思う。そしてその後、藍原は森下くんと話してたよね?正直、なんで俺を避けてあいつと話すんだって思った。そのときにあの電話は森下くんとしていたんだって確信した。俺は彼氏じゃない。そう言ってたのが辛くて、あんな風に強引にした。そして藍原に泣かれたときに気づいたんだ。藍原が好きなのは俺じゃない。高校時代の優しい『杉原翔真』なんだって」
言葉が出なかった。先輩を好きだってずっと思っていたのに、
その言葉に妙に納得できる自分がいたし、それを先輩も見逃さなかったから。
何度も連絡をくれていたかもしれないのに電源を切って話し合いをする時間も設けず、ただ裏切られたとしか思わなかった。
「狩野さんのことは最初から疑ってなかった。でも、亜樹は藍原に何かあったら困るから自分が近くに行きたいって。確かに亜樹と俺を疑っていれば亜樹の行動は身勝手に見えたと思う。そしてその後、藍原は森下くんと話してたよね?正直、なんで俺を避けてあいつと話すんだって思った。そのときにあの電話は森下くんとしていたんだって確信した。俺は彼氏じゃない。そう言ってたのが辛くて、あんな風に強引にした。そして藍原に泣かれたときに気づいたんだ。藍原が好きなのは俺じゃない。高校時代の優しい『杉原翔真』なんだって」
言葉が出なかった。先輩を好きだってずっと思っていたのに、
その言葉に妙に納得できる自分がいたし、それを先輩も見逃さなかったから。

