本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

「森下は、最初俺らのとこにいたんだけど、俺らの仕事が工事としてどんな風に生かされてるか知りたいって自分から志願して下請け会社に行ったんだ。根っからの仕事好きだよ。ここよりもずっと大変で相手は顧客。休みの日だって、疎らで車で一日中走り回らなきゃいけない。それでもあいつ、毎日生き生きと仕事してる。だけど、そんなあいつでも癒しが欲しかったんだろな」





タバコを吸いながら島田さんが言ったあの日の言葉。




「あいちゃんがあいつの癒しになってたんだよ」




私なんかでも、暴力じゃなくちゃんと好きだと思ってくれている人が2人もいた。


そんな2人に自分なんかとか、こんな私をなんて思うのは失礼すぎる。