本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

2人の間をシーンとした静寂が包む。そのときトントンと聞こえたノック。




「主査、そろそろ主査会議に行かないと間に合いませんよ」




ドアの向こうから聞こえたのは今、一番聞きたくない高城さんの声。



先輩はすっと腕時計に目をやったあと、ただ小さな声でポツリと囁いてドアを開けた。





「嫌な思いをさせてごめん。少し頭を冷やします」