本当の好きを教えてあげる〜番外編完結〜

先輩の顔が近づいてきて思わず目をきつく瞑った。キスされる。


そう思ったのに全然唇には触れない。思わず目を開けるととても切なそうで苦しそうな表情をする先輩。




「・・・ごめん。手、痛かっただろ。中、入って。今、お茶入れるから」




目が合った瞬間拘束は解かれ、私に背を向けて部屋の中に入っていく先輩。



なんで?なんで先輩はキスしてくれなかったの?どうして急に戻ったの?


ううん。戻ってなんていない。
戻ったふりをしてるだけ。




「先輩。私、先輩のこと好きです」




「・・・ありがとう」




ねえ、先輩。あなたはまだ私に一度も好きだと伝えてくれてないんですよ。



私はちゃんと言葉にして伝えているのにあなたは言ってくれない。私のほうが不安です。