今なんて冷静になれるわけもなく私の心音は悲鳴をあげている。片手の拘束は解かれそのまま顎に手を掛けられて嫌でも上を向かされてしまった。




「藍原は残酷だね。俺と藍原じゃ気持ちに差があり過ぎるのかもしれない。その差どうやったら埋められる?」




びっくりするくらい低い声で問いかけられて答えることもできない。気持ちに差がある。


先輩と私、どっちがその気持ちが大きい?私ですよね。




「・・・先輩が私をもっと好きになってくれれば埋められるんじゃないでしょうか?」




「それって俺が藍原より気持ちがないってこと?さすがに怒るよ。藍原の気持ちが俺にないんだろ?」




「な、何言ってるんですか?私は・・・」




「俺への気持ちをいつまでも憧れの先輩で思うなよ。意識して男として見ろよ。俺は藍原のこと可愛い後輩としてなんてもう見られない」