「見てください!」
と俺に、テストの答案用紙を突きつけて
きた。
それは勿論数学ので、点数は……。
「あ、70越えてる」
76点、と書かれてあった。
俺がそう言うと、また、如月はふにゃり
と頬を緩めた。
「そうなんですよー!こんな高得点、生
まれて初めてです!離宮君のおかげです
!ありがとうございます!」
そう屈託なく笑う如月に。
トクン、と、小さく胸が揺れる。
……あの日と、同じように。
図書室で一緒に勉強をした日にも、同じ
ような淡い感情を味わった。
勉強が教えにくいから、と如月の隣に移
動したとき、後悔した。


